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何を根拠にEPUBのalt属性は読み上げられるべきなのか

代替テキストへのアクセスをテストするEPUBファイルのスクリーンショット

先日セミナーで某EPUBのリーディングシステムの検証結果を報告しました。そのリーディングシステムはかなり良くできていたのですが、音声読み上げ機能を利用した際に、画像の代替テキスト(=img要素のalt属性)を読み上げてくれませんでした。

なお検証に使用したファイルは http://epubtest.org/testsuite/ に掲載されている「Fundamental Accessible Reading System Tests」です。

質疑応答の時間に、大手出版社で電子書籍制作をされている方から質問がありました。現在日本で使われているEPUBリーディングシステムには、代替テキストを読み上げてくれないものが多いのだそうです。そのため制作の現場でも代替テキストを入れていないことにしているらしいです。リーディングシステムのベンダーに、代替テキストの読み上げに対応して貰うには、何を根拠にお願いすればいいですか? というのが質問の要旨でした。

僕の頭の中では、ブラウザやスクリーンリーダーが代替テキストを読み上げてくれるのは当たり前の挙動だと思っていましたが、改めて問われてみるとそれがどこで規定されているのか、しっかり把握していないことに気づきました。その場では、EPUBはウェブのアクセシビリティの基準を参照しているので、そのどこかに書いてあるはず、としか言えませんでしたので、改めて調べてみることにしました。

  1. EPUBに要求されるアクセシビリティEPUB Accessibility 1.0 に定義されている。この文書の A.4. Reading System Conformance がリーディングシステムの適合性を扱ったセクションである。
  2. その適合条件は以下のとおりである
    1. 「Fundamental Accessible Reading System Test(僕が検証に使用したファイル)」をパスすること(MUST)
    2. UAAG 2.0のLevel AAに適合すること(SHOULD)
  3. UAAG 2.0では Guideline 1.1 - Provide access to alternative content で代替コンテンツへのアクセスを提供することを求めている。例えば、読者に代替コンテンツを利用する手段を提供する 1.1.1 Render Alternative Content は Level Aであるから、EPUB Accessibility 1.0が目標とするLevel AAに含まれている。
  4. したがってEPUBのリーディングシステムは、代替コンテンツであるテキストへのアクセスを提供するべきである。

こういう論理になるのではないでしょうか。音声読み上げの際に、代替テキストに対して「読み上げる」以外のアクセス方法があるのかは寡聞にして知りません。