電書ちゃんねるBlog

電書ちゃんねるの管理人がたまに書くブログ

文章を発表して互いに殴りあう『SS合評』

夏頃から『SS合評』とかいう催しになんとなく参加している。電子書籍周辺の関係者が実話をベースとした作品をウェブ上に発表して互いに容赦なく点数をつけあうのだ。SSとはストロングスタイルの略である。

セルフパブ界隈に皆で読みあいやんややんや罵り合う「合評」スタイルを持ち込むことで、エディター不在=読者不在状況を打開するための自力本願による実験団体

多忙な関係者が多くサイトの作りかけ感は否めないが、参加者同士はプロアマ入り乱れて楽しんでやっている。現在の主なメンバーと所属派閥はこんな感じだ。あえて抗争っぽさを演出するために派閥を掲載した。

  • 持田泰 (変電社、トルタル)
  • 波野發作 (日本独立作家同盟、変電社、トルタル、破滅派)
  • 椋康雄 (日本独立作家同盟、トルタル)
  • 高橋文樹(破滅派)
  • 東郷正永(派閥なし 放送作家)
  • 高瀬拓史(電書ちゃんねる)

僕はといえば主催の持田氏の声がけに乗ってはみたものの、作家になりたいという願望も小説を書いているという意識もない。ブログの延長線上にあるエッセイみたいなつもりだ。単に自分の文章が読んだ人にどれだけ刺さるかを楽しんでいる。

現在、第2回が開催中。テーマは「夏の実話」。本戦と呼ばれる寸評が明日10/7に「破滅派サロン」で行われる。当日観戦者も作品を採点をすることができ、次のメンバーが名乗りを挙げている。

  • 塚田眞周博(派閥なし フリー編集者)
  • 鷹野凌(日本独立作家同盟)

開始は19:00から。ネットでのライブ中継もある。前回はアルコールが入りすぎて酷かった。

以下は作品の一覧と、参加者による事前レビューである。11点の持ち点を各作品に配分するルールだ。最終的な勝者は当日までわからない。

事前評

事前評

事前評

事前評

事前評

事前評

事前評にもそれぞれの個性があり楽しい。現在のランキングは以下のとおりだ。僕は第3位。当日評でさらに上位にいけるだろうか。

  • 1位 高橋文樹『小僧のザリガニ』 事前総点:18
  • 2位 東郷正永『我が格闘』 事前総点:13
  • 3位 高瀬拓史『災いとクローバー』 事前総点:11 
  • 4位 持田泰『ノラ』 事前総点:10 
  • 5位 波野發作『夏のフィクション』 事前総点:9
  • 6位 椋康雄『コクワくんの一生』 事前総点:5

何もアピールしないのももったいないので記事にしてみた。興味のある人は読んで貰えれば幸いだ。

Github PageとJekyllで公式サイト作った。およびブログ名変更のお知らせ

お久し更新。僕らの屋号「電書ちゃんねる」といえばこのブログのことだったんですが、せっかくdenshochan.comのドメイン取ったんだし、公式サイト作りたいなー、と思いつつ気がついたら2年が経ってました。

そこで先日でっち上げました。制作は2日くらい。少ない素材の使い回しがいい加減辛くなってきた。

こういうシングルページのサイトをサクッと作って無料で公開できるGithub Pageは本当に便利。フルスクラッチで作るほど時間を掛けられなかったので、ジェネレータとしてJekyllを採用。出来合いのテンプレートを利用することにした。ランディングページ用のやつ。

必要なコンテンツを用意する他に、CSSをBootstrap4ベースに切り替えた。OGPとGoogle Analyticsの追加などやった。カッコイイ背景画像が見つからなかったので、適当な色で塗りつぶしてごまかした。やったのはそのくらいかなあ。労力の割りにはそれっぽいものになったのでそこそこ満足してます。

やっつけで作って身内にだけ告知するつもりが、なぜかチラホラはてブでシェアされて恥ずかしい。

というわけで今後、「電書ちゃんねる」といえば http://denshochan.com/ を指すことになります。こちらのブログは「電書ちゃんねるBlog」に改称することになりました。

引き続きよろしくお願いします。

電書制作第一人者による試行錯誤の記録 -『ウェブ時代の「一人出版社」論 フリーダムパブリッシング』

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インストラクショナルデザイナー境祐司さんといえば、誰もが認める電子書籍制作の第一人者だ。とりわけ電子書籍元年(2010年)から間もない時期、境さんが開くセミナーは毎回満員だった。海外の最先端の動向に詳しく、膨大な数のコンテンツと端末の検証をこなし、得られた知見は豊富な講師経験による平易な言葉とデザイナーらしい美しさを兼ね備えた資料として提供してくれる。例えばこんな風に。

この人の徹夜続きのツイートをしょっちゅう見かける。「ホントいつ寝てるんだろ」と僕は不安になる。年齢はおそらく僕よりも一回りくらい上だろう。ウェブの歴史にも詳しく僕が知らない時代の話をいろいろと教わった。大先輩と言っていいと思うが、少しも偉そうにされたことがない。物腰柔らかで疲労を表に出さずいつもにこやかに笑っている。超一流の人なのだからデザイナーや講師業で十分な食い扶持を稼げたはずだ。けれども残念なことに、この人は「自由」と「本づくり」に魅せられているのだった。

電子書籍市場は大規模なプレイヤー同士の競争フェイズに入り、黎明期が持つ様々な可能性は失われはじめた。小さなプレイヤーにできることは年々少なくなっている。ストアにコントロールされたリーディングシステムは自由度も表現力も低く、ブックデザインのスキルを活かす余地は少ない。本書はそんな中で「自分が考えるデジタル本の世界をつくる」決断をした著者の試行錯誤の記録だ。その試みはまだ成功への途上にある。以下は本書の目次である。

  • はじめに
  • Chapter 1:フリーダムパブリッシングの実践
    • デジタル本の「自由」と「計画」
    • デジタル本とスタイルの確立
    • ビューティフルパブリッシング
  • Chapter 2:デジタル本をつくる
    • デジタル本の種類
    • デジタル本とHTML
    • デジタル本の原稿とタグ付け
    • デジタル本に変換
  • Chapter 3:デジタル本をリリースする
  • Chapter 4:デジタル本を読者に届ける
    • デジタル本のシンプルマーケティング
    • デジタル本のランディングページ
    • デジタル本のニュースレター
  • あとがき

目次を見てわかるとおり、本の制作から販売、マーケティングまで「一人出版社」としてやるべきことが網羅されている。デジタル本の売り方ではメジャーなKindleストアと楽天kobo電子書籍ストアでの販売は当然触れてあるが、著者の「一人出版社」はむしろ自分のストアで本を売ることを本流と考える。「自由」を尊ぶ著者らしい考えだ。購入者との関係を築きながら、じっくり一つひとつのコンテンツをつくり、時間をかけて売っていく方法を選択している。具体的には「BASE」や「STORES.jp」といったショップ作成サービスや「DLmarket」や「デジコンカート」などの決済サービスを利用して自分のオンラインストアを作ることについて触れられている。

そして目次を見てもわからないことだが、一つ一つの項目の濃度が高い。試行錯誤の総量がとにかく多い。海外国内から調べあげた膨大な情報インプットを著者の体験を踏まえて凝縮されたものだ。電子書籍元年から続けてきた著者の活動の集大成と言えるだろう。

体裁は洗練された本だが著者がやってきたことは非常に泥臭い。理想を追求するためには泥にまみれることを全く厭わない人。それが僕が持つ境祐司さんのイメージ。泥に塗れても著者が思い描く自由と表現の理想は清らかだ。清らかすぎてついてこれない人もいるのではないかと危惧してしまうくらいに。

どうしてそこまで身を削りながら理想を追求できるのだろう。「出版ってもっとクソッタレでろくでもないものじゃないの?」 「電子出版なんて片手間でやれば十分では?」などと僕が言ってもきっと聞く耳持たないだろう。そういう人なのだ。そういう生き様なのだ。

幾つになっても学び続ける姿勢を変えることなく、僕たちの先頭を走ってくれる先輩。彼の超人的な活動をまとめた本書は、一人出版社 Creative Edge School Booksのサイトから購入することができる。フォーマットはDRMフリーなEPUB 3とmobiの2種類。こういう人が笑える時が来ないと僕は寂しい。購入はこちらから。

Adobe Digital Editions 4.0のMedia Overlaysを試す

Adobe Digital Editions(ADE) 4.0 がEPUB Media Overlays(MO)に対応したと聞いたので、ちょっとだけ試した。

EPUB Media Overlaysは録音した音声をテキストに同期させて読み上げを実現する仕組みだ。

昔作ったファイルを読み込ませてみる。ファイルはここに上げてあるものを使った。

ファイルを読み込ませると、MOに対応した本ではメニューにスピーカーのアイコンが現れる。

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これをクリックするとコントローラーがポップアップする。

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ここから主に次の操作を行うことができる。

  • 再生/停止
  • 前後のパラグラフへの移動
  • 再生速度の変更(1〜4倍速)
  • ハイライトの色指定

こちらはハイライトの色を変えた例。

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読みたいテキストをダブルクリックすると、その箇所から再生することもできる。

ひととおり標準的な機能をしっかりカバーしている感じだ。縦書きのリフローでMOに対応したリーディングシステムはそれほど多くないので、僕の中でADEの株が少し上がった。

デジタル教育とEPUB(EDUPUB)の話をした

このブログではあまり取り上げてこなかったのだけれど、EDUPUBという活動がある。教育分野における電子出版物(EPUB)をテーマにした取り組みは2013年後半にIDPFの会員であるピアソン・エデュケーションの提言ではじまり、後にIDPFの公式の活動となった。これにW3CEラーニングの標準化団体IMS Global Learning Consortiumが賛同し、現在では出版物にとどまらないEラーニングの標準化の取り組みとなっている。

JEPAではEDUPUBをテーマにしたセミナーを継続して行っていて、3月11日には第五回が開催された。僕の登壇資料を貼っておく。EPUBとEDUPUBの違いを中心に解説したものだ。

セミナー全体の記録は詩想舎さんのレポートが詳しい。

EDUPUBはまだ始まったばかりの活動だ。その範囲は広く道のりは長い。デジタル教育の未来を予測できる人など世界中どこにもいないだろう。誰もが手探りだ。

日本では電子教科書、一人一台タブレット、MOOC、反転学習……いろんなキーワードが飛び交って掛け声は勇ましいのだけれど、公教育をデジタル化するのにどれだけの課題があるのか、把握できている人がどれほどいるのだろうか。個人的にはまだまだ基盤整備できてないし部品が足りてないように思えるんだけど、僕の会社でも関わっている分野でもあり、しがらみの多い世界でもあるので奥歯に物が挟まったような言い方しかできない。

反対にトピックを技術に絞れば気軽に書けるのでよい。今後もEDUPUBについて、随時ブログに書いてゆくつもりだ。

毎日ブログ更新した電書ちゃんの2月 ― 気になる収益大公開

これまでのあらすじ

自分の安売りなら任せろ! 本でもサービスでも無料公開が得意な管理人ろす。しかし困窮する生活に業を煮やした電書ちゃんは、おやつ代を自分で稼ぐべく新ブログ「電書ちゃんねるプラス」を開設。アフィリエイトで一儲けを目論む。

しかし初月の結果は屈辱的な大惨敗。

それでも電書ちゃんは諦めない。マスコットキャラクターの自立と尊厳をかけた戦いはまだまだ続く。


電書ちゃん ♪あっかり〜をつっけ〜ましょ ぼんぼりにぃ〜。今日くらいは甘酒飲んじゃってもいいわよね〜。

ろす 「女の子の日」

電書ちゃん あんたが言うと別の意味に聞こえてくるから不思議よね。汚らわしい。

ろす いやいや、他でもない「桃の◯ック」すよ。

電書ちゃん つらい……さり気ないセクハラがつらいわ……。

ろす ハーイ! というわけで今月もこの時期がやって参りました! 電書ちゃんねるプラス2月はどんな感じだったんでしょう。楽しみですねえ。

電書ちゃん あたしは億劫だったわよ。また笑いものにする気でしょ?

ろす 早速2月のプレイバックいってみましょう!

プレイバック

三度目の正直。悲願だったAmazonアソシエイトの審査に受かり喜びの声を上げる電書ちゃん。

観測範囲の広さとコメントの丁寧さを持ち味に記事を書き続ける。かつて内容の薄さを指摘した鷹野凌ちんも太鼓判だ。

しかし相変わらず伸び悩むアクセス。改善の施策に知恵を絞る。

検索流入を狙った特集記事の作成。

キャッチーな記事見出しに頭を捻り、ツイートにはアイキャッチ画像を挿入。

セール/無料キャンペーン告知の募集。

そして無事、2月中一度も休むことなく更新を続ける。電書ちゃんの涙ぐましい努力の成果や如何に?


ろす いやー苦労してますねえ。素晴らしいですねえ。あの怠惰で傲慢で上から目線で甘やかされきった電書ちゃんはどこに行っちゃったんでしょう。

電書ちゃん さりげなくあたしの過去をボロクソに言ったわね。

ろす さて努力の結果は数字に現れるのでしょうか?

アクセス状況

序盤はアクセスは低迷するも、少しずつ記事をシェアしてくれる読者も現れ、さまざまな施策も功を奏したのか下旬には安定して1日200PVを超えるようになる。

集客チャネルは相変わらずのソーシャル頼み。というかTwitter頼み。新規ユーザー数が少なく内向きメディアの状態が継続している。一方、常連読者は安定して見に来てくれているとも言える。記事をシェアして貰えるか否かが生命線かもしれない。


ろす いちおう増加はしてる……といえるのかな。超絶ショボイけど。

電書ちゃん 焦ってもしょうがないと思うの。こういうのはひたすら継続よ。結果に直結しないからといって、コロコロ新しいこと試しては止めるのは愚策だわ。

ろす ほほう意外と肝が座ってますね。

収益

ろす ではいよいよ収益の公表です。目標であるブラックサンダーを箱買いできるお値段ってBT換算で幾らだっけ?

※説明しよう。BTとはブラックサンダーを1個分のお値段を表す当ブログ独自の単位だ。

電書ちゃん 20BTってとこね。計算が面倒だから消費税は考慮しないことにするわ。

ろす 確か先月の収益は2BTだったよね(クスクス)

電書ちゃん 今月はAmazonアソシエイトがあるからそんな惨めな数値にはならないはず。現在の収益源は、G社をはじめとする広告収益とAmazonアソシエイトをはじめとする紹介料の2つ。A8.netはカラーが違うから止めちゃった。

ろす それでは順に発表して貰いましょう。今月の広告収益はズバリ?

電書ちゃん 17.2BTよ。

ろす おおっと! いきなり目標額まで約3BTにまで迫りました。それでは今月の紹介料収益はズバリ?

電書ちゃん 33.9BTよ。さっきの広告収益と合算して51.1BT

項目 収益 (単位:BT)
広告収益 17.2
紹介料収益 33.9
合計 51.1

ろす キターッッッ!!! おめでとう! 目標達成おめでとう電書ちゃん! しかもダブルスコアだよ! 感想を一言どうぞ!

電書ちゃん いやーん! ありがとう☆ みんなの応援のおかげよ!

ろす うんっ!うんっ! 僕からも一言いいかな?

電書ちゃん ええ! ろすちゃんお願いするわ!

ろす 最低賃金で2時間バイトしたほうがマシだな。

電書ちゃん …………

ろす …………

※説明しよう。東京都の最低賃金で2時間働いて得られる金額は59.2BTなのだ。

電書ちゃん この目標額って記事を完全自動生成して楽をしまくった前提の数字だったのよね。今結構手を掛けてるから、時給に換算するとキビしいものがあるわね。

あと売上で気になってるのは、あたしが紹介した本と関係ない商品が結構な割合を占めてること。

ろす 何が売れたの?

電書ちゃん 合わせ味噌。

ろす 合わせ味噌。

フンドーダイ 熊本県産原料合わせみそ 750g

フンドーダイ 熊本県産原料合わせみそ 750g

電書ちゃん 水道の蛇口が4つ、ボールペンの替芯が3つ……。

ろす どうしてそんなものが……?

電書ちゃん そんなこと、あたしに聞かれてもわからないわよ。まあいいわ。ありがたく受け取っておきましょ。

とにかく、今月あたしは自分のおやつ代を自分で稼いだ。もうあんたにデカい顔はさせないわ。あーっ甘酒がおいしっ!

ろす さて、そんな「電書ちゃんねるプラス」ですが、もうすぐみなさんとお別れしなくてはなりません。

電書ちゃん ちょっと……何それ……?

ろす 次号「最終回 電書ちゃんねるプラスよ、永遠なれ」をお楽しみに〜。

電書ちゃん 待って! 何よ、その不吉なタイトルは?

(続く)

「電子書籍元年」の頃の話を書いた

こんな話を書きました。

まさに異世界チートハーレム無双。時に西暦2010年。タブレット端末登場! 黒船襲来? リストラなう! 時代は風雲急を告げる。冴えないアラサーSEとして燻ぶっていた僕は、偶然にもチートな技術仕様を手にしたことから異世界(電子出版)の動乱に巻き込まれ、縦横無尽の大活躍で(主に年季の入ったおじさまたちから)モッテモテ♡

というのは90パーセント以上誇張が入った嘘です。ごめんなさい。

僕にとっての「電子書籍元年」は2010年です。この年、日本は米国を中心とした電子書籍市場の隆盛から取り残されてしまうか否かの瀬戸際にあったように思います。また、この年に僕はプログラムも書けない残念なSEもどきから残念な電子書籍の人になりました。いったいどんな出来事があったのか、極めて私的な回想を「群雛」の3月号にゲストコラムとして掲載して貰いました。群雛は先週NPO化がニュースになった日本独立作家同盟の発行するインディーズ作家たちによる月刊誌です。以下から僕の文章が読めます。『僕の「電子書籍元年」』というタイトルです。EPUB 3が作られてゆく舞台裏がちょっとは伝わると思います。

追記: BCCKSの立ち読み版だと終わりのほうがちょっと欠けるけど、Kindle版の試し読みは全文読めるらしいです。BCCKS、Kindkeどちらでも全文試し読みできるようになりました。

月刊群雛 (GunSu) 2015年 03月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~』 鷹野凌(編) 神楽坂らせん(著) 芦火屋与太郎(著) 晴海まどか(著・編) 青海玻洞瑠鯉(著) 合川幸希(著) 盛実果子(著) 王木亡一朗(著) きうり(著) 高瀬拓史(著) 長鳥たま(著) 神光寺かをり(著) Yuki TANABE(デザイン) 宮比のん(群雛ロゴ) 西野由季子(編) 竹元かつみ(編)著

月刊群雛 (GunSu) 2015年 03月号 ? インディーズ作家を応援するマガジン ?

月刊群雛 (GunSu) 2015年 03月号 ? インディーズ作家を応援するマガジン ?

回想というのはそれなりの地位のある人がやるからなんとか格好がつくのであって、僕などがやってもみっともないし恥ずかしいものです。とはいえ当時の貴重な光景を見届けることができたのでそれを伝えたい気持ちはありました。既に出来事の結末を知っている今の僕たちには、当時のワクワク感や不安感を追体験するのは難しいかもしれません。でも当時から数年は世間のシガラミが気になって気軽に書けなかったし、あまり時間をおくと記憶が風化してしまうので、これを機会に書いておくことにしました。

一万字という制限があったので書けなかったことがいっぱいあります。「俺のことが書いてない!」と誰かから怒られる気もしています。とりわけ既存の出版業界の外側にいた人たちの姿を書けなかったことは心残りです。当時はツイッターで「EPUB」を検索すると大半が日本人によるツイートで、いろんな人が立場を越えて熱心に議論をしたり、学んだことを惜しげも無くブログに公開したりしていました。ウェブを通じたこうした人々の交流も「電子書籍元年」を前に進めた大きな力でした。2010年の「電子書籍元年」は単なる出版業界内部に閉じたムーブメントではなく、だからこそ前進できたと思っています。みんなで作った電子出版環境なんだと僕は証言しておきたいです。

最後になりましたが機会をくれた鷹野凌編集長とスタッフの皆さんに感謝します。日本独立作家同盟のNPO化には、いよいよ電子書籍のバトンが技術者から本の作り手に渡ったような感慨があります。そろそろ僕は「電子書籍元年」をネタにするのも終わりにしようかなと思うのでありました。

【関連記事INDEX】 “電子書籍元年”の2010年を振り返る -INTERNET Watch

追記: みんなでそれぞれの電子書籍元年を振り返った。


電書ちゃんはまだ帰ってきません。