読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

電書ちゃんねるBlog

電書ちゃんねるの管理人がたまに書くブログ

デジタル教育とEPUB(EDUPUB)の話をした

お知らせ 資料

このブログではあまり取り上げてこなかったのだけれど、EDUPUBという活動がある。教育分野における電子出版物(EPUB)をテーマにした取り組みは2013年後半にIDPFの会員であるピアソン・エデュケーションの提言ではじまり、後にIDPFの公式の活動となった。これにW3CEラーニングの標準化団体IMS Global Learning Consortiumが賛同し、現在では出版物にとどまらないEラーニングの標準化の取り組みとなっている。

JEPAではEDUPUBをテーマにしたセミナーを継続して行っていて、3月11日には第五回が開催された。僕の登壇資料を貼っておく。EPUBとEDUPUBの違いを中心に解説したものだ。

セミナー全体の記録は詩想舎さんのレポートが詳しい。

EDUPUBはまだ始まったばかりの活動だ。その範囲は広く道のりは長い。デジタル教育の未来を予測できる人など世界中どこにもいないだろう。誰もが手探りだ。

日本では電子教科書、一人一台タブレット、MOOC、反転学習……いろんなキーワードが飛び交って掛け声は勇ましいのだけれど、公教育をデジタル化するのにどれだけの課題があるのか、把握できている人がどれほどいるのだろうか。個人的にはまだまだ基盤整備できてないし部品が足りてないように思えるんだけど、僕の会社でも関わっている分野でもあり、しがらみの多い世界でもあるので奥歯に物が挟まったような言い方しかできない。

反対にトピックを技術に絞れば気軽に書けるのでよい。今後もEDUPUBについて、随時ブログに書いてゆくつもりだ。

毎日ブログ更新した電書ちゃんの2月 ― 気になる収益大公開

反逆のアフィリエイト編

これまでのあらすじ

自分の安売りなら任せろ! 本でもサービスでも無料公開が得意な管理人ろす。しかし困窮する生活に業を煮やした電書ちゃんは、おやつ代を自分で稼ぐべく新ブログ「電書ちゃんねるプラス」を開設。アフィリエイトで一儲けを目論む。

しかし初月の結果は屈辱的な大惨敗。

それでも電書ちゃんは諦めない。マスコットキャラクターの自立と尊厳をかけた戦いはまだまだ続く。


電書ちゃん ♪あっかり〜をつっけ〜ましょ ぼんぼりにぃ〜。今日くらいは甘酒飲んじゃってもいいわよね〜。

ろす 「女の子の日」

電書ちゃん あんたが言うと別の意味に聞こえてくるから不思議よね。汚らわしい。

ろす いやいや、他でもない「桃の◯ック」すよ。

電書ちゃん つらい……さり気ないセクハラがつらいわ……。

ろす ハーイ! というわけで今月もこの時期がやって参りました! 電書ちゃんねるプラス2月はどんな感じだったんでしょう。楽しみですねえ。

電書ちゃん あたしは億劫だったわよ。また笑いものにする気でしょ?

ろす 早速2月のプレイバックいってみましょう!

プレイバック

三度目の正直。悲願だったAmazonアソシエイトの審査に受かり喜びの声を上げる電書ちゃん。

観測範囲の広さとコメントの丁寧さを持ち味に記事を書き続ける。かつて内容の薄さを指摘した鷹野凌ちんも太鼓判だ。

しかし相変わらず伸び悩むアクセス。改善の施策に知恵を絞る。

検索流入を狙った特集記事の作成。

キャッチーな記事見出しに頭を捻り、ツイートにはアイキャッチ画像を挿入。

セール/無料キャンペーン告知の募集。

そして無事、2月中一度も休むことなく更新を続ける。電書ちゃんの涙ぐましい努力の成果や如何に?


ろす いやー苦労してますねえ。素晴らしいですねえ。あの怠惰で傲慢で上から目線で甘やかされきった電書ちゃんはどこに行っちゃったんでしょう。

電書ちゃん さりげなくあたしの過去をボロクソに言ったわね。

ろす さて努力の結果は数字に現れるのでしょうか?

アクセス状況

序盤はアクセスは低迷するも、少しずつ記事をシェアしてくれる読者も現れ、さまざまな施策も功を奏したのか下旬には安定して1日200PVを超えるようになる。

集客チャネルは相変わらずのソーシャル頼み。というかTwitter頼み。新規ユーザー数が少なく内向きメディアの状態が継続している。一方、常連読者は安定して見に来てくれているとも言える。記事をシェアして貰えるか否かが生命線かもしれない。


ろす いちおう増加はしてる……といえるのかな。超絶ショボイけど。

電書ちゃん 焦ってもしょうがないと思うの。こういうのはひたすら継続よ。結果に直結しないからといって、コロコロ新しいこと試しては止めるのは愚策だわ。

ろす ほほう意外と肝が座ってますね。

収益

ろす ではいよいよ収益の公表です。目標であるブラックサンダーを箱買いできるお値段ってBT換算で幾らだっけ?

※説明しよう。BTとはブラックサンダーを1個分のお値段を表す当ブログ独自の単位だ。

電書ちゃん 20BTってとこね。計算が面倒だから消費税は考慮しないことにするわ。

ろす 確か先月の収益は2BTだったよね(クスクス)

電書ちゃん 今月はAmazonアソシエイトがあるからそんな惨めな数値にはならないはず。現在の収益源は、G社をはじめとする広告収益とAmazonアソシエイトをはじめとする紹介料の2つ。A8.netはカラーが違うから止めちゃった。

ろす それでは順に発表して貰いましょう。今月の広告収益はズバリ?

電書ちゃん 17.2BTよ。

ろす おおっと! いきなり目標額まで約3BTにまで迫りました。それでは今月の紹介料収益はズバリ?

電書ちゃん 33.9BTよ。さっきの広告収益と合算して51.1BT

項目 収益 (単位:BT)
広告収益 17.2
紹介料収益 33.9
合計 51.1

ろす キターッッッ!!! おめでとう! 目標達成おめでとう電書ちゃん! しかもダブルスコアだよ! 感想を一言どうぞ!

電書ちゃん いやーん! ありがとう☆ みんなの応援のおかげよ!

ろす うんっ!うんっ! 僕からも一言いいかな?

電書ちゃん ええ! ろすちゃんお願いするわ!

ろす 最低賃金で2時間バイトしたほうがマシだな。

電書ちゃん …………

ろす …………

※説明しよう。東京都の最低賃金で2時間働いて得られる金額は59.2BTなのだ。

電書ちゃん この目標額って記事を完全自動生成して楽をしまくった前提の数字だったのよね。今結構手を掛けてるから、時給に換算するとキビしいものがあるわね。

あと売上で気になってるのは、あたしが紹介した本と関係ない商品が結構な割合を占めてること。

ろす 何が売れたの?

電書ちゃん 合わせ味噌。

ろす 合わせ味噌。

フンドーダイ 熊本県産原料合わせみそ 750g

フンドーダイ 熊本県産原料合わせみそ 750g

電書ちゃん 水道の蛇口が4つ、ボールペンの替芯が3つ……。

ろす どうしてそんなものが……?

電書ちゃん そんなこと、あたしに聞かれてもわからないわよ。まあいいわ。ありがたく受け取っておきましょ。

とにかく、今月あたしは自分のおやつ代を自分で稼いだ。もうあんたにデカい顔はさせないわ。あーっ甘酒がおいしっ!

ろす さて、そんな「電書ちゃんねるプラス」ですが、もうすぐみなさんとお別れしなくてはなりません。

電書ちゃん ちょっと……何それ……?

ろす 次号「最終回 電書ちゃんねるプラスよ、永遠なれ」をお楽しみに〜。

電書ちゃん 待って! 何よ、その不吉なタイトルは?

(続く)

「電子書籍元年」の頃の話を書いた

ポエム お知らせ

こんな話を書きました。

まさに異世界チートハーレム無双。時に西暦2010年。タブレット端末登場! 黒船襲来? リストラなう! 時代は風雲急を告げる。冴えないアラサーSEとして燻ぶっていた僕は、偶然にもチートな技術仕様を手にしたことから異世界(電子出版)の動乱に巻き込まれ、縦横無尽の大活躍で(主に年季の入ったおじさまたちから)モッテモテ♡

というのは90パーセント以上誇張が入った嘘です。ごめんなさい。

僕にとっての「電子書籍元年」は2010年です。この年、日本は米国を中心とした電子書籍市場の隆盛から取り残されてしまうか否かの瀬戸際にあったように思います。また、この年に僕はプログラムも書けない残念なSEもどきから残念な電子書籍の人になりました。いったいどんな出来事があったのか、極めて私的な回想を「群雛」の3月号にゲストコラムとして掲載して貰いました。群雛は先週NPO化がニュースになった日本独立作家同盟の発行するインディーズ作家たちによる月刊誌です。以下から僕の文章が読めます。『僕の「電子書籍元年」』というタイトルです。EPUB 3が作られてゆく舞台裏がちょっとは伝わると思います。

追記: BCCKSの立ち読み版だと終わりのほうがちょっと欠けるけど、Kindle版の試し読みは全文読めるらしいです。BCCKS、Kindkeどちらでも全文試し読みできるようになりました。

月刊群雛 (GunSu) 2015年 03月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~』 鷹野凌(編) 神楽坂らせん(著) 芦火屋与太郎(著) 晴海まどか(著・編) 青海玻洞瑠鯉(著) 合川幸希(著) 盛実果子(著) 王木亡一朗(著) きうり(著) 高瀬拓史(著) 長鳥たま(著) 神光寺かをり(著) Yuki TANABE(デザイン) 宮比のん(群雛ロゴ) 西野由季子(編) 竹元かつみ(編)著

月刊群雛 (GunSu) 2015年 03月号 ? インディーズ作家を応援するマガジン ?

月刊群雛 (GunSu) 2015年 03月号 ? インディーズ作家を応援するマガジン ?

回想というのはそれなりの地位のある人がやるからなんとか格好がつくのであって、僕などがやってもみっともないし恥ずかしいものです。とはいえ当時の貴重な光景を見届けることができたのでそれを伝えたい気持ちはありました。既に出来事の結末を知っている今の僕たちには、当時のワクワク感や不安感を追体験するのは難しいかもしれません。でも当時から数年は世間のシガラミが気になって気軽に書けなかったし、あまり時間をおくと記憶が風化してしまうので、これを機会に書いておくことにしました。

一万字という制限があったので書けなかったことがいっぱいあります。「俺のことが書いてない!」と誰かから怒られる気もしています。とりわけ既存の出版業界の外側にいた人たちの姿を書けなかったことは心残りです。当時はツイッターで「EPUB」を検索すると大半が日本人によるツイートで、いろんな人が立場を越えて熱心に議論をしたり、学んだことを惜しげも無くブログに公開したりしていました。ウェブを通じたこうした人々の交流も「電子書籍元年」を前に進めた大きな力でした。2010年の「電子書籍元年」は単なる出版業界内部に閉じたムーブメントではなく、だからこそ前進できたと思っています。みんなで作った電子出版環境なんだと僕は証言しておきたいです。

最後になりましたが機会をくれた鷹野凌編集長とスタッフの皆さんに感謝します。日本独立作家同盟のNPO化には、いよいよ電子書籍のバトンが技術者から本の作り手に渡ったような感慨があります。そろそろ僕は「電子書籍元年」をネタにするのも終わりにしようかなと思うのでありました。

【関連記事INDEX】 “電子書籍元年”の2010年を振り返る -INTERNET Watch

追記: みんなでそれぞれの電子書籍元年を振り返った。


電書ちゃんはまだ帰ってきません。

帰ってきたSigil ― プラグイン機構でワンチャンある?

EPUB ろすメモ ツール

しばらく活動が停滞していたEPUBオーサリンツールSigilだが、最近少しだけ開発が活発化しているようだ。新しく導入されたプラグイン機構を利用すればEPUB 3の出力もできる。

以前このブログでは次の記事でSigilの開発が行き詰まっていると伝えた。

ところが、2014年後半から開発が活発化してきたようだ。

開発体制

多忙な中、独力でSigilをメンテナンスしてきたJohn Schember氏はブログで、2014年8月頃にKevin Hendricks氏による協力を得られたことを明かしている。Kevin Hendricks氏は幾つかのバグ修正の他、Sigilにプラグインを追加するフレームワークの導入も進めている。

Making epub happen: Sigil Status Update

また、新たにSigilのウェブサイトも立ち上げられている。

リリース

Hendricks氏の協力もあってか、小規模なアップデートが随時行われている。内容はプラグイン機構の追加を除いてはバグフィックを中心としたものだ。EPUB 3への公式対応は未だに行われていない。

  • 2015/02/02 ver 0.8.4
  • 2015/01/16 ver 0.8.3
  • 2014/11/29 ver 0.8.2
  • 2014/10/12 ver 0.8.1
  • 2014/09/28 ver 0.8.0

プラグイン機構

新しく導入されたプラグイン機構によってユーザーは任意の機能を追加することができる。プラグインに使う言語は現在のところPythonしかサポートされていないが、他のプログラム言語にも対応する意向はあるようだ。プラグインMobileReadのフォーラムに投稿されることが多い。

もしかしたらSigilにEPUB 3を出力できるようにするプラグインもあるのでは?と思い調べてみたら早速見つかった。

epub3 output plugin for Sigil - MobileRead Forums

折角なので、これを例にプラグインの使い方を示す。上記のリンクからePub3-itizer_v022.zipというファイルをダウンロードしておくこと。なおこちら環境は以下のとおり。

手順

  1. メニューから Plugins -> Manage Plugins をクリック。次のウィンドウが立ち上がる。

    Preferencesウィンドウの画像

  2. 図の①。 Interpreters Path to Interpreter Executable のPython2.7の欄にPythonのパスを記述する。となりのAutoボタンを押すと/usr/bin/pythonが自動的に挿入される。特に環境をいじってなければこれでよいはずだ。

    パスはターミナルでwhich pythonを実行すれば確認できる。

  3. 図の②。Pluginsの項目の Add Plugin ボタンを押す。プラグインの場所を聞かれるので、前述の ePub3-itizer_v022.zipを選択する。

  4. このPluginはSigilで作成したEPUB 2をEPUB 3に変換するものだ。メニューから Plugins -> Output -> ePub3-itizer が選べるようになっているので、EPUBの作成が済んだら押してみよう。

  5. Plugin Runnerウィンドウの Startボタンを押すと変換処理が走る。変換が済むとEPUB 3の出力先を聞かれるので、 任意の値を入力する。

    Plugin Runnerウィンドウの画像

  6. 出力されたファイルを確認する。次の処理が行われているようだ。

    • パッケージ文書(content.opf)をEPUB 3のものに変換
    • ナビゲーション文書(nav.xhtml)の作成
    • コンテンツ文書(*.xhtml)のHTML5

ナビゲーション文書とは別にHTML目次が存在する場合、ナビゲーション文書をspineから除外してくれるあたり、思ったより賢い。

逆にナビゲーション文書をHTML目次として利用する場合、勝手にTable of Contentsという見出しが入ってしまう。日本人なら目次として欲しいところだが、それを修正するにはまたEPUBを編集する必要があるので本末転倒だ。コードが書ける人ならプラグインをカスタマイズするほうがマシだろう。

EPUB Validatorでチェックすると、NCXから外部DTD宣言を除外せよとのエラーが出た。元のSigilのNCXがこうなってるんだろうけど、詰めが甘い印象。

EPUB ValidatorではNCXにエラーあり

おわりに

当ブログでは、仕様に準拠したEPUB 3の作成ができないためSigilの利用を推奨してこなかったが、開発に活気が戻ってきたのは純粋に嬉しい出来事だ。プラグインのエコシステムがうまく回れば開発者の手の及ばないニーズに応えることができるかもしれない。


電書ちゃんが出て行ってしまったので、しばらくは僕のソロプレイが続きます。

Web・出版社・メタデータ。三者を巡るDPUB IGの報告書が興味深い

メタデータ ろすメモ

W3C Digital Publishing Interest Group(DPUB IG)のMetadata Task Forceでは既存のさまざまなメタデータ標準の調査と出版社へのインタビューを元に報告書を作成し、W3Cに提言を行っている。

今回も調べたことを雑にまとめたい。報告書はこちら。

DPUB IG Metadata Task Force Report

本稿執筆時点でのバージョンは2015年01月08日時点のもの。Web・出版社・メタデータを巡る現状と問題点を俯瞰的な視点から知ることができるので、興味がある人は目を通すとよいと思う。

DPUB IGについては、以前にこの記事の中で触れた。

Metadata Task Force

DPUB IGの中に結成されたMetadata Task Forceの目的は出版社がメタデータに抱える不都合の解決をW3Cが手助けできるようにすることだ。

メタデータの利用形態

出版社は3つの異なる方法でメタデータを使っている。

出版社が抱えるメタデータの「つらみ」(pain point)とは?

  • 粒度 出版物レベルではなく、コンテンツに任意の粒度でメタデータを関連付ける必要がある
  • 複雑さ 沢山の識別子やメタデータ語彙があり混乱する
  • 難しさ 非技術者がメタデータを提供できるシステム/ツールが少ない
  • 無益さ せっかく提供したメタデータがシステムの中で生かされていない

理解と実装の欠如が原因

報告書はこれらの問題を次の2つのカテゴリに分類できるとしている。

  • OWPを改良することで解決されるもの。
  • 理解と実装の欠如によるもの。(=OWPの既存の仕組みが出版社やサプライチェーンの中で使われていない)

調査の結果、Metadata Task Forceはほとんどの主要な問題は後者(理解と実装の欠如)に属するとした。

W3Cへの提言

これを踏まえ、Metadata Task ForceはW3Cに3つの提言を行っている。

  • 新しいメタデータ語彙を導入するのではなく既存の語彙の活用に注力すること
  • 出版社やそのパートナーが既存のOWPの仕組みを最大限に活用できるよう教育を行うこと
  • コンテンツに権利関係のメタデータを関連付けることを促進する作業を行うこと

出版社へのインタビュー

報告書にはMetadata Task Forceが調査のために出版社に行ったメタデータに関するインタビューの結果も掲載されている。興味深いのはメタデータへの態度が各分野の出版社ごとに異なる点だ。

  • 商業出版社はコンテンツの発見を重視している
  • 教育出版社は資産やコンテンツの管理の側面を重視している
  • 学術出版社はメタデータを「すでに解決済みの問題」と見なしている
  • 雑誌や報道を扱う出版社は権利関係のメタデータに注力している

おわりに

この報告書は付録も充実しており、さまざまなメタデータ語彙やフレームワークのリストは俯瞰的視野を手に入れる上で便利だ。提言に沿うならば、これらのメタデータは今後も使われ続けることになるだろう。気になるのはEPUB-WEBとの関係だが、EPUB-WEBのメタデータは分野ごとの拡張を許容するので、これら既存のメタデータを拡張として利用するシナリオは想定しているのではないだろうか。ただし識別子については新たなURNスキームを新設するようだが、別途記事を設けて触れたい。

EPUB-WEB ― 本とウェブとの境目をゼロにするビジョン

EPUB ろすメモ

EPUB-WEBは今後の電子出版の方向性を示す重要な取り組みになるかもしれない。

f:id:lost_and_found:20150212191140p:plain

先日のエントリを書いた際に、少しだけ触れたEPUB-WEBについて、もう少し詳しく述べておくことにする。

Digital Publishing Interest Group(DPUB IG)

EPUB-WEBは昨年、Digital Publishing Interest Groupの活動の中で提唱されたビジョンだ。

EPUB-WEB

EPUB-WEBの概要を以下に述べる。

EPUB-WEBが取り組む領域

上述のホワイトペーパーではEPUB-WEBでは次のことに取り組むとしている。

ポータブル/オフライン文書の汎用的なアーカイブフォーマット

  • Zipコンテナの限界。
  • ストリーム可能なパッケージフォーマットPackaging on the Webを視野に入れている。

出版物の全体構造の取得

  • EPUBの目次やガイド、spineなどは大規模で複雑な出版物では重要だがシングルページの文書にとっては過剰。
  • EPUB-WEBではデフォルト値を定義することで、これらの情報オブジェクトを省略可能にするべき。

文書とフラグメント識別子

  • ポータブル文書のフォーマットにはHTTPアドレスがない。
  • 学術領域ではDOIやCROSSREFがURNリゾルバサービスを提供しているが、商業分野はそうなっていない。有償かつ登録手続きが必要なのも多様なユースケースにそぐわない。
  • フラグメント識別子EPUB-CFIは出版物内部の参照ができるが、オンラインとオフライン/ポータブルの状態の変化を扱えない。
  • EPUB-WEBは文書とフラグメントを識別できるURIスキームを定義するべき。

メタデータ、発見

  • EPUB-WEBはオンライン/オフラインに左右されない基本的なインラインのメタデータレコードの構文を定義しなければならない。
  • EPUB-WEBでは最小限の必須メタデータ語彙を定義するが、それ以上の語彙は各ドメインに委ねる。

スタイリング、レイアウト、ページ表現

  • Webのタイポグラフィやレイアウトは出版社の要求に応えられていないが、それぞれの問題はCSS WGの中で時間をかけて解決されてゆくだろう。
  • ページ表現のネイティブなサポートもEPUB-WEBの重要なコンポーネントになるだろう。

セキュリティとプライバシーのモデル

  • ウェブのセキュリティモデルのベースとなっている同一オリジンポリシーや「サイト」の概念がポータブル文書には適用されない。
  • EPUB-WEBはオンライン/オフラインに左右されないセキュリティとプライバシーモデルに取り組まなければならない。

プレゼンテーションの制御とパーソナライゼーション

  • EPUB-WEBはユーザーを起点としたプレゼンテーション制御の明確なフレームワークに取り組む必要がある。

ドメイン固有の制限や拡張のモデル

  • EPUB-WEBはコンテンツの制作と検証の対象となる「プロファイル」という概念に取り組む必要がある。
  • EPUB-WEBのプロファイルは「フィーチャーアドオン」という概念を導入して、元の出版物にリスクを与えずに拡張機能を使えるようにする必要がある。

おわりに

EPUB-WEBの取り組みには、電子出版に関わる人の多くが感じてきたさまざまな課題を凝縮されていると感じた。少なくとも僕は、ずっと解決を望んできた課題だ。それをWeb標準に沿った形で解決できるのならば、極めて理想的だと思える。特定の業界の標準化団体が進めるよりも遥かに筋がいい。日本語の情報はほとんどないが、今後も調べたことを随時メモしてゆきたい。

アクセス不足に電書ちゃん轟沈!? どうなるブラックサンダー!? 

反逆のアフィリエイト編

これまでのあらすじ

時に西暦2015年、冴えない三流ブログのマスコットキャラクターとしてくすぶっていた電書ちゃんは、おやつへの不満をきっかけに日々の鬱憤が爆発。「あたしはあんたの操り人形じゃない」(言ってない)と管理人に反旗を翻し、独自のブログ「電書ちゃんねるプラス」を起ち上げる。これが世に名高い「1.15(イッテンイチゴ―)おやつ事変」である。

目先の小金に目が眩み「アフィリの波動」に目覚めた彼女は広告だらけの記事を毎日投稿して一儲けする算段。表現とコミュニケーションを司るヒロインにあるまじき路線変更は、賢明なる読者諸氏を大いに困惑させる。目標はブラックサンダーを毎月1箱買えるようになること。マスコットキャラクターの自立と尊厳をかけた戦いはこうして幕を明けた。


ろす はいどうもー☆ というわけで1月もそろそろ終わりに差し掛かって参りました。電書ちゃん元気でやってたかい?

電書ちゃん な、何? このバラエティ番組で体当たり企画やらされてる底辺お笑い芸人みたいな扱いは? てゆうかあんた前の記事で落ち込んだとか言ってたのに随分と明るいわね?

ろす 一晩寝たら大抵のことはどうでもよくなるね。では、この2週間の電書ちゃんの動きをダイジェストで追ってみましょう。どうぞ!

プレイバック

日刊電書ちゃん」というカテゴリで日々のニュースのまとめに雑なコメントを付けた記事を投稿する電書ちゃん。記事の半分くらいは自動生成したものっぽい。他にストアの日替わりセール記事なども投稿していたようだ。

開き直る電書ちゃん。しかし……

自信満々で挑んだAmazonアソシエイトの審査に落ち、当初の計画に大幅な狂いが生じ始める。

一旦広告を外し、挑発的な文言や日替わりセールの記事を削除。猫を被って再度審査を受ける。

……が、ダメ!!

以後、地道なコンテンツの蓄積に励みながら再起の牙を研ぐ電書ちゃんなのであった。


ろす いやー苦労してるみたいですねー。それでもちゃんとこの2週間毎日更新してるみたいじゃん。てっきり三日坊主で終わると思ってたから感心したよ。まあ自動生成記事なら誰だって更新できるわな。

電書ちゃん 失礼ね! 最初は徹底的に楽をするために全自動生成にする予定だったわ。でもそれじゃちゃんとした記事にならなくて、最近は丁寧にコメントを書いてるわよ。記事の並び順だって考えたりしてるし。だから今は手作り記事とそんなに変わらないわ。

ろす ふーんふーん。2週間続けてみた感想はどんな感じ?

電書ちゃん 楽して儲けるのって大変なのね

ろす ハイ名言キタコレ!! 矛盾してるwwww 意味わかんないwwwww では次は気になるブログのアクセス数を見てみましょうwwww

電書ちゃん なんなのこれ。公開処刑

アクセス状況

アクセスサマリー

本家電書ちゃんねるからのアクセス流入が多かった1/16を除外したアクセスのサマリー。毎日更新したにも関わらず一日あたりのセッション数は100を下回り低迷を続ける。

集客チャネル

注目すべきは集客チャネルの偏り。半数以上のアクセスはソーシャル頼み。とくに注目すべきは検索エンジンからの流入を表すOrganic Searchの低さ。記事のタイトルと内容が全然合ってないからだろう。


ろす まとめると、ほんの一部の知り合いしか見てないと。物好きな人も少しはいるもんだね。

電書ちゃん う、うるさいっ! あたしのブログの読者さんを馬鹿にするな!

こんなはずじゃ……折角いろんなところから厳選したニュースを集めているのに……。

ろす バイラルクソメディアとやってること変わらなくない?

電書ちゃん あたしの親切な解説コメントがついてる!

ろす 電子書籍のニュースを必要としてる人なんていないのでは?

電書ちゃん セルフパブリッシング界隈のマイナーな情報だって拾ってる!

ろす 毎日情報の洪水を浴びるようなライフスタイルの人と、作家さんではクラスタが重ならないのでは?

電書ちゃん ぬぬぬぬ……

ろす もっと有益なオリジナルコンテンツがないと毎日更新を続けてもずっとこんな感じじゃないのかなあ。

さーて最後はお待ちかね、収益情報をチェックしてみましょう!

で、幾ら稼げたの?

電書ちゃん これさ……本当に公表しなくちゃダメ?

ろす あれだけ大見得切ったんだぜ? そりゃ結果を知らせる義務があると思うね。

電書ちゃん あのね、アソシエイトの審査が通らなかったから、今の収入源はGoogle AdsenceとA8.netだけなの。あんまり言いたい数字じゃないのよね。

ろす そんなの分かってるよ。

電書ちゃん 笑ったりしない?

ろす 結果はどうであれ、電書ちゃんが真剣だったことに変わりはしないよ。それを笑ったりなんかするもんか。

電書ちゃん 絶対に?

ろす うん、絶対に。

電書ちゃん 2BT……。

ろす 2BT?

電書ちゃん 1BTはブラックサンダーが1個買えるかもしれないお値段だと思って。

ろす 2BTwwwww!!! あんだけ威勢のいいこと言っといてたったの2BTwwww 毎日せっせと更新して2BTwwww やべぇwwww ウケるwww お腹痛いwwww

電書ちゃん 笑われた!? あたしの努力が笑われた!!!

ろす 最高すぎるよ電書ちゃんwww 笑いの神に愛されてるよwww 

電書ちゃん 許さない!! あんた絶対に許さない!!!

これからどうしよう?

閑話休題

ろす さっきはごめんね。コンビニでブラックサンダー買ってきたよ。僕が立て替えといてあげるから。君が自分の手で稼いだおやつだ。あと僕の分も買ってきた。いっしょに食べながら話しあおうぜ。

電書ちゃん はあ、これが今のあたしのブログの価値ってことね。

ろす そんなの尺度のひとつにすぎないさ。自分のブログの価値は自分で決めるもんだよ。

電書ちゃん あたし気づいたことがあるの。お金を得ようとすると、サイトを修正したり、コンテンツの方向性を変えたり、いろいろ思い通りにできないことがでてきたわ。

ろす そうだね。多くの場合、お金には他人の意思が宿っている。その意思を受け入れないとお金を手に入れることはできないのかもしれないな。そして他人の意思に縛られすぎると、自分の自由を手放すことになってしまう。

電書ちゃん お金も言葉や本と同じ。人の意思を運ぶメディアってことなのね。

ろす うん。だから僕は働きたくないんだよ

電書ちゃん (今サラッと最低のこと言った!)

ろす 戻っておいでよ電書ちゃん。電書ちゃんねるプラスは閉鎖しよう。気ままに好きなことだけやって過ごすんだ。多くを望まなければ落胆することもない。それでいいじゃないか。

電書ちゃん それはできないわ。ここであんたに従ったら、あたしはあんたに負けたことになる。あたしがあたしであるために、いくら不自由でも止めるわけにはいかないのよ。

ろす (うわ、まだこの企画続くのかよ……)

電書ちゃん それにしてもこのブラックサンダーいつもより苦いわね。

ろす そっかあ? いつもと同じ味だぜ?

電書ちゃん ううん。苦いわ……苦い……。

有楽製菓 ブラックサンダー1本×20個

有楽製菓 ブラックサンダー1本×20個